二章



フラガが出てきて調度良く、計ったようにクルーゼからの呼び出しが来た。

向かう先は隊長室。
もちろん、フラガと何故かラクスも連れて。





『失礼します』


クルーゼはデスクの上に肘をつき、皆が入ってきて開口一番。


「久しぶりだな、ムウ・ラ・フラガ」

「会いたくなかったけどな。ラウ・ル・クルーゼ」



『・・・・・・・・・・・・』



二人は沈黙してにらみ合う。

にらみ合うこと数十秒。
さすがに二人のある意味、緊迫した空気に冷や汗を流すエースパイロット達。

そんな時、

「まぁまぁ・・・・そんなことよりキラ様はどうなっているのですの?」



ニコニコと笑みを浮かべさらりと言うラクスに、一同は当初の目的を思い出した。


「キラは・・・キラはどうなっているんですか?」


口を開いたのはアスラン。
その視線を受けたフラガは苦虫を噛み潰した表情になった。


「・・・・あいつは・・・ストライクにいる」


『?』

「コックピットには貴様しかいなかっただろうが!」


その答に眉を顰め、鋭い声を発したのはイザークだった。
イザークとアスランの鋭い視線にも臆することなく、フラガは飄々と笑う。


「まぁ〜・・・いないようでいるんだよなぁ〜・・・・」


イザークのこめかみに青筋が浮かぶのを見たディアッカは、

「んで・・・・じゃぁ、そいつストライクのどこにいるんだよ」

「だから、中。ストライクのな」

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』


再び険悪なムードになり始めた部屋に、クルーゼは一つ咳払いをする。


「よく聞きたまえ。君たちは知らないだろうが、世の中には機械に同調することの出来る人間がいる、ということだ」


そこで、ラクスへと視線を移し、目配せをする。
ラクスは二コリと笑った。


「・・・・・ラクス様がそうであるように」




『は?』




ほかの仲間が呆然と見る中、アスランはクルーゼから視線を移し、ラクスを見た。


「つまり・・・・・キラは今、ストライクと同調している・・・ということか?」

「ええ、そうですわvvアスラン」


にこやかに笑うラクスに脱力感を覚えずも、キラはいる、ということは事実のようなので、ほっとした。




「まぁ、とりあえずキラに頑張って出てきてもらわねぇとな」



そのフラガの言葉に、その場にいたパイロット達は


『早くそうしろよ(してください)!!!』


と、怒鳴った。






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