不思議な巡りあわせで





そのあと、銀髪の少年がイザーク、金髪の少年がディアッカ、と自己紹介し話した。
カガリとは違った感じで楽しかった。


それで気づいたけど、カガリは大丈夫かな…
何も言わずに着てしまったから、怒ってるかな…

考えると、悪い結果しか思い浮かばず、キラは頭を押さえた。


先ほどからキラは頭を押さえたままなので、それに気づいたイザークは声をかける。



「休んだ方が良いんじゃないのか?」



気遣わしげに聞こえた声に、キラは押さえていた手をどけて顔をあげた。

見るとイザークは本当に心配そうで、慌ててキラは言った。



「だっ大丈夫です!…その…ごめんなさい…!」


話している最中にこんなことするなんて…
やっぱり自分は馬鹿だ…



目を伏せ、さらに気分が悪そうなキラに、イザークはバルトフェルドに向き直った。



「バルトフェルド隊長。具合が悪そうなので休ませた方が宜しいのでは?」



頼むようでもあり高圧な口調でもあるその声に、バルトフェルドは内心苦笑する。


「かまわんよ。緊張してしまったのだろう」




しかしレイはそれに大慌てになった。



「あのっ!平気です!!早く戻らないとカガリが困っていると思うので…」



その言葉にバルトフェルドは首をすくめ、イザークたちへと視線を向けた。



「だ、そうだ。…まあ、もうすぐ日も暮れる…帰りたまえ。そろそろ君の服も乾いている頃だろう」



言って彼は手元にあったボタンを押した。

数秒も経たずにドアが開き、アイシャが服を持ってきた。


さっきも思ったけど、どうしてこんなに手際がいいのか疑問に思うばかりだ。

だってどう考えたって早すぎる…



「はい、どうぞ」

「!…あ、はいっ…ありがとうございます」



返してもらった服を着るためにアイシャと共に部屋をでる。
最後にちらりと部屋を見ると、イザークがこちらをじっと見ていた。

その視線に急に恥ずかしくなって、キラは逃げるように部屋をでた。








next.gif