不思議な巡りあわせで
「イザーク・ジュール。出頭しました」 「同じく、ディアッカ・エルスマン」 ビシッと敬礼をして目の前でくつろぐ上官、バルトフェルドに視線を向けた。 痛くなるような視線の強さにバルトフェルドは苦笑する。 「君たち、もう少し楽にしたらどうだね?じゃないと心労でハゲてしまうかもしれないよ」 『?』 その言葉に眉をしかめ互いを見合わせた。 「で、今日ここに君たちを呼び出したのは…知っているよね」 突然の切り出しに二人はハッと居住まいを正した。 そしてディアッカが控え目な口調で答える。 「テロの時のことですか…?」 相手の様子を伺うように慎重に言葉を選ぶ。 同じくイザークもバルトフェルドの様子をじっと見つめてる。 そんな二人の様子に目を細めると、若いねぇ、と心の中で一人ごちた。 だが、そんな表情はおくびにも出さず、ニヤリと笑って先を促す。 「うん。そうだね」 が二人は眉根を寄せ、再び顔を見合わせた。 「…それ以上はわからないのですが…」 イザークが渋々といった様子で答える。 答えられなかったのがよほど悔しかったのだろう。 が、そんな表情は出さずに答える辺り上官に対する態度をわきまえている、といった所か。 心の中でつぶやいてうーん、と唸る。 二人はいまだにつったったままだ。 「…まぁどうにかなるだろう」 「…は?」 訝しげに眉を寄せた二人を口の端で笑いながらバルトフェルドはちらりとドアに目をやった。 と、ちょうどよくドアが叩かれる。 「アンディできたわよ」 ドアの向こうでアイシャの声が耳に届いた。 |