IFの世界





どうするか…キラを助けるためにどうすればいい…?

アスランは黙々と歩きながら考え続ける。





「君はどうしたいかね?」


「!!」



背後からの声に驚きながらも静かに振り返る。
いたのは仮面をつけた自分の隊長。

クルーゼはこちらを見て口元に自分が嫌いな笑みを浮かべた。

だが、表情には出さずに無表情のまま聞く。



「どういう意味ですか?」

「ふむ…そのままの意味なのだがね?」


顎に手をあててわざとらしく言う。

油断ならない人だと思ってはいたが…

内心舌打ちしたい気分になるが、冷静に言い返す。


「では隊長はキラの処遇をどうするおつもりですか?」

「それは君の力によるな」

「…?」


眉をしかめたアスランにクルーゼは気にした様子もなく、むしろ楽しんでいるような口調で言葉を続けた。


「彼女の能力には捨てがたいものがある。できればむざむざ失うようなことはしたくないのだよ」


その言葉にアスランの頭の中で一つの仮定が浮かんだ。


「キラを…説得しろ…ということですか…?」


キラを有用と考えるなら、なんとかして自分の下に引き込みたいはずだ。
しかもちょうどキラを引き込みやすい状況。
そしてキラと幼なじみである…自分がいること


「察しが良い子は好きだね」


クルーゼは口元にニヤリと笑みを浮かべると、瞳の見えない目で見つめる。



「ではそうことだ。後ろの三人も聞いただろう。アスランに協力したまえ」



ガタッと音がしてそろそろとイザークたちが出てきた。



「…!…お前たち…!」



まさかいたとはな…

気づかなかった自分をふがいなく思いながらも、味方を作れるかもしれないと考えた。

なるべく多い方が良いからな…
ただキラに害するならつぶすだけだが。

頭の中で色々な算段を考える。

キラを助けるためなら、何だって利用する。

そしてスランはクルーゼに向き直った。
直視した瞳はガラスでぼやけていてよく見えない。

何を考えているのか…

いつもは見慣れたその仮面がひどく不気味に感じ、アスランは早々に場を離れた。







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