「ねぇ、キラ。一緒にプラント学園目指さない?」
それが全てのきっかけだった。
ミリィこと、ミリアリアの言葉に、キラはキョトンと首をかしげた。
何故、とかそんなことも思ったが、
特に行きたい学校もないしなぁ…
と、キラは二つ返事でそれを了承したのだ。
家に帰って両親に相談すると、良いと言ってくれた。
しかし、ここからが問題。
学力が非常に高いことが有名なプラント学園。
イコール
学力がやばい
単純だが、事実キラの学力は平均。
つまり、このままでは入学できない。
…まずいよね…
そのことをミリィに打ち明けると、どうやら彼女も同じようで。
「だったら、一緒に勉強しましょ!!」
といって、二人で勉強を開始したのだった。
******
図書室
勉強のため、二人は図書室に来ていた。
目の前には山積みにされた、教科書やら参考書が置いてある。
こんなにできるのかな…
はっきり言って不安だが、やるしかない。
二人、わからないところは聞きあい、順調に勉強は進む。
が、ふとキラはペンを止め、ミリィを見た。
視線に気づいたミリィが顔を上げた。
「どうしたの?何かわからないところがあった?」
その言葉に首を振り、キラはうるさくならないように、小さな声で言った。
「何でミリィはプラント学園に行きたいの?」
いうと、ミリィは少し視線をそらした。が、それも一瞬のことで。
恥ずかしそうに俯いた。
「ちょっと…まあ…トールがね…そこに行く、って言うのよ」
「?……つまり…」
何か自分は答えに行き着いた気がする。
「トールと一緒のところに行きたいから?」
言った瞬間、ミリィはがばりと頭を下げた。
「ごめん!!」
「へ…?」
何でミリィが謝るの?
混乱しきった頭の中で、キラはミリィに頭をあげるよう言った。
「何で謝るの?」
「…だって…私の勝手な言葉で…キラを巻き込んで…」
俯いたまま、身の縮こまったミリィに、キラは微笑んだ。
「ミリィが気にすることないよ。進路が決まらなくて困ってたし」
「……本当?」
「本当」
「…うん…キラ」
ほっとした様子だが、まだどこか心配げの彼女に、キラはおどけた調子で言った。
「彼氏の行くところ目指すなんて、ミリィって純情なんだね〜」
「キラ!!」
真っ赤になって反論しようとするミリィに、キラは口元に手を当てた。
ハッと気づいてミリィが恐る恐る周りを見ると、図書室にいた生徒がじろりとこちらを見ていた。
「すいません…」
静かにいすに座るミリィにキラはくすりと笑う。
「これでおあいこ。ね!」
その言葉にミリィはハッとし、次いで苦笑した。
「ありがと、キラ」
そうして日々はあっさりと過ぎていった。
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