邂逅




季節の変わり目は、何故だか胸がどきどきする。

何故なんだろう?

多分、何かが始まるような気がするからだと思う。

春って季節は、そう考えると季節の変わり目みたいなもの。

昨日と違う何かを感じる。

例えば、一瞬で散ってしまう桜。
儚いけど綺麗。

だから、やっぱりこの季節が好きなんだ。






「うわぁ・・・・満開だ・・・・」


公園の池に沿って続く桜並木を見渡しながら、キラはびっくりして思わず感嘆の吐息を漏らした。


「そうだなぁ〜・・・そうだ!今度の日曜日に花見でもするか?」


答えたのはカガリ。

本名はカガリ・ユラ・アスハ。
キラの同級生であり、仲の良い親友だ。
活発そうな金髪に、オレンジの瞳。それを見るたび、太陽みたいだ、と吸い込まれるような気分になる。


「うん!・・・・っと、その前に・・・・・」
「!!キラ!!危ないぞ!!」


木をよじ登り始めた私にカガリは非難の声を上げた。

カガリはああ言うけど、木の上から桜を見てみたい。
下で見てあれだけ綺麗なんだから、上からだったらもっと綺麗だと思ったから。

足に力を入れて木を上る。
カガリはそれを慌てふためきながら見ている。

あんなに慌てなくても・・・と思うんだけど・・・・。



「わぁ・・・・・・すごい・・・・・」



広がるのはピンクの絨毯。
心地よい桜吹雪が全てを覆いつくすように流れていく。


「もう降りろ!!キラ!!」
「うん。ちょっと待って・・・・・きゃっ!!」


しまった!と思った瞬間には体は宙を舞っていた。
ゆっくりと流れていく景色。

ここで見ても綺麗だな、と場違いなことを考えながら、空が遠くなっていく。
桜の木が天地逆になって・・・・。


「キラ!!!」


カガリの叫ぶ声がどこか遠くに聞こえた。



『危ない!!』



ドスッ!!


衝撃は・・・・・ほとんど無かった。

何で・・・?

と、恐る恐る閉じた瞳を開くと、目の前に人がいた。


周囲をぐるりと見渡す。

次の瞬間唐突に理解した。


自分はこの目の前にいる人に助けられたのだと。そして、自分はその人の体の上に乗っかっていることに。



「!!!」



思わず赤面してバっと離れる。そして目の前に人にお礼を言おうとして・・・・―――――



「え・・・・・?」



目の前にいたのは一人ではなかった。
二人、だったのだ。

金髪に褐色の肌の人。
そして、もう一人はものすごく綺麗だった。

太陽の光が反射して、銀色の髪が光っていた。
その下にあるアイスブルーの瞳はこちらを見つめていて・・・・


恥ずかしい!!!


一瞬体温が沸騰したかと思えるほど、羞恥心により熱が込み上げてきた。



「っあの!!ごめんなさい!!!」



そう言うが早いか一目散に走る。





後には、呆然とキラの走り去った方向を見る少年二人と、カガリの姿が残った。







End?









あとがき
ss・・・・もしかして続く??
って描くのは自分なんですけどね・・・・。
さぁどうなるでしょうか。
なんていうか・・・キラを助けたのはイザークとディアッカです。
でもちょびっとしか出てなかったですね;;
取り合えず季節は春。青春です。いいですよねぇ・・・(え?)
続編出るか分かりませんが、希望したい方は言って下さい☆
その人だけに書くかも(笑)