ミエナイ未来
「お前は…キラ・ヤマトか?」 突然の問いにキラはぽやんと彼を見つめた。 綺麗な、アメジスト。 吸い込まれそうだな… キラを見て、心の中で笑みを深めた。 一瞬とも、永遠ともいえる時間。 だが瞳ははずされ、横顔が目に写った。 彼は向こうを向いたまま、何も言わない。 「?」 訳がわからないキラは、何とか立ちあがった。 体中が痛い。 「っいた…」 思わず呟くと、いつの間にか彼が前に来ていた。 そして、ふわりと肩に何かがかかった。 「…?」 視線をずらすと、それはマントだった。 彼が付けていたもののようで、まだ少し温かい。 呆然と視線を上げると、どこか恥ずかしげな彼と目があった。 「…ありがとう…」 もしかして、もしかしてでもなくてもわざわざ脱いでくれたのだろうか。 何だか、嬉しくて。 思わず微笑んだ。 人と触れ合うのは、なんだか久しぶりな気がした。 「いや……」 そっぽを向く彼に、お礼をしなくてはと、キラは話しかける。 「えっと…あの…名前は…?あっ、私はキラ・ヤマトです」 「!…やはり…キラ・ヤマト…なのか…?」 「え…?」 何故かその顔は、知りたくなかった、という感じで。 誰であろうとそんな悲しい顔は見たくない。 だからキラは彼を抱きしめた。 子供をあやすように。 カガリがそうしてくれたとき、自分は凄くほっとしたから。 そうして暫くして、キラは彼をまた見上げた。 「大丈夫…ですか?」 「///……ああ…」 どこか赤くなった顔を不思議そうに見つめ、キラは小首をかしげた。 そして、自分が彼の服を肩にかけたままだと気づいて、はずそうとした。 が、 「!!!」 服は無残にちぎれ、素肌が見えている。 もしかして、もしかしてじゃなくても… 見られた…? 一気に顔が赤くなる。 どうしよう…どうしよう… キラの思考はスパーク寸前だった。 家族以外に見られたことなんて無かったのに・・・・っ だが、遠くから声が聞こえてきた。 「おーい!!カナード!」 「っち…きたか」 「?」 声の方には、バンダナを付けた男の人。 ミリアリアみたいに髪がはねてる女の人。 長髪の男の人がいた。 思わずキラは彼の後ろに隠れた。 服をぎゅっと掴んでしまったのだが、彼は嫌な顔一つせず、逆に手を握ってくれた。 「!………」 この人は…悪い人じゃない というより、何だか親近感があった。 他人とは思えないような、そんなつながり。 やがて、その人達は彼の前にきた。 「?ありゃ?…そのこは?」 「どうしたんですか?」 女の人が興味津々にキラの顔をのぞいた。 それに彼は目を吊り上げてにらみ付けた。 「…関係ない」 「関係なくはありませんよ」 長髪の人が、なだめるように言った。 バンダナの人はそんなことはどっちでもいいけど、といって彼の方を見た。 「そんなことより依頼主さんが来ないんだもんなぁ…、骨折り損だったかもな…」 「!!」 依頼主? もしかしてこの人達がジャンク屋の… 「ロウ・ギュールさんですか?」 「へ…?」 キラの言った言葉に、その場の全員が目を丸くした。 |
あとがき
アストレイのキャラを登場させてみたり・・・・(オイ
展開が大変そうだ・・・・?