ミエナイ未来
「はあ…はあ…」 闇の中を駆け抜ける影があった。 複数の大小様々な人間が夜道を急ぎ足で走っている。 彼らの先頭には、ピンク色のふわりとした髪を持つ少女がいた。 「ラクスお姉ちゃん…」 傍で心配気に呟かれた声にラクスは振り返って穏やかに微笑んだ。\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\ 「大丈夫ですわ…だから、もう少し頑張ってね」 「うん」 また前に視線を戻し、ラクスは走る。 こんなに走るのは始めて、と頭の片隅で思いながら キラは大丈夫でしょうか? と心配気に眉をひそめた。 だがおそらく大丈夫であろう。 彼らはキラには気づかないと思う。 今、オーブの町に買い物に行かせたから。 きっとキラは不思議に思ったことだろう。 そんなことを頼むのは始めてだったから。 ごめんなさい… キラ… そして子供たち… 私たちのせいで巻き込んでしまって… 心の中で謝罪して、ラクスはちらりと後ろを振り返った。 黒い影が自分達の後ろにいる。 彼らはおそらく地球軍の刺客。 私たちを殺す為に来たのでしょうね… 危険因子は消しておきたいということなのでしょう… 悲しげに眉を寄せ、ラクスは一瞬目を瞑った。 私はおそらく死ぬかもしれない。 でも希望はまだある。 キラとアスラン… それにイザーク達も… やがて大きく広がる道に出て、目の前には教会があった。 ラクスは子供たちを先に行かせ、自らは一番後ろについた。 「さあ…早く…」 「見つけたぞ!」 「!」 振り向いた時は遅かった。 ドォーンッ…! 一発の銃弾が、ラクスの胸を貫いていた。 暗転する視界。 闇夜に瞬く光が、目に届いた。 キラ… 鋭い痛みと共に、痛いほどの静寂。 ラクスは、その瞳を閉じた。 キラ… |
あとがき
やっと更新したと思ったら今度は違う話…
すいません;;
最近種デスの方でキラも出始めたので書きたくなっていたものをPCに打ち込みました…