不思議な巡りあわせで

-エピローグ-




やることがある。


今、自分にできること。


戦争を終わらせるために。










目の前に掛けられた服に目をやり、キラはパシリと頬を叩いた。


「よし!!」



そして、服に手をかけ、袖を通す。

服の色はダークレッド。

肩にはZAFTの紋章。


そう、キラはZAFTのアカデミーを飛び級で卒業し、赤服になった。


所属先はクルーゼ隊。

アスランのいる部隊。





多分、アスランには怒られるだろう。

それも、こってりと。




というより、怒られるじゃすまないかもなぁ…












でも

決めた。


私にできること。


待ってるだけじゃ駄目。


だから…


息を吸い込んで、静かに吐く。



「私も、戦う」









******





「クルーゼ隊にまた赤が来る?」




ニコルから言われた言葉に、アスランは僅かに目を開いた。



「ええ。何でも成績がものすごく良かったらしくて、いきなり飛び級で卒業なんだそうです」



信じられない、と言わんばかりにニコルは両手を上げた。

同じくアスランも少しは驚いていた。

第一、飛び級と言うものがあったのかということすら疑問だ。


まぁしかし…



「俺には関係ないことだよ。それに、誰が来ようと戦争を終わらせるために戦うだけだ」



そういってアスランは道を歩きはじめた。

それを見ていたニコルは、口元で微かに笑う。





「キラさんのために、ですよねv」





ぎくり




螺子がとまってしまった人形のように、動かなくなったアスランに、ニコルは笑顔で横を通る。



「そうですよねぇ〜。早くしないとキラさんに振られちゃうかもしれませんよ?」




狙ってる人は多いんですから〜、と笑顔で歩くさまは、まるで悪魔の化身のように思えた。



「っく…」




アスラン・ザラ。16歳。


まだ困難は続く。






*******




呼び出しの放送に、アスラン及び赤服の四人は隊長室に来ていた。

もちろん目の前には仮面の男、ラウ・ル・クルーゼがいる。

全員が出頭したことを告げると、彼は楽しそうに腕を組んだ。






「さて、皆も知っているかも知れないが、本日づけで一人隊員が増えることとなった。来たまえ」





隊長室の中に一瞬緊張がこもる。




「はい」





答えたのはやや高い声音。



「女…?」



ポツリとイザークが呟く。




出てきたのは、亜麻色の髪、紫紺の瞳…








「キラ!!??」






アスランの声に、皆は耳を塞いだ。






「やかましい!!」






何故かイザークが負けじと怒鳴る。

が、しかしアスランはイザークを無視し、目の前にたたずむ人物を信じられない顔で見つめた。





「キラ・ヤマトです。よろしくお願いします!」





そういって、アスランの最愛の女性は微笑んだ。









アスラン・ザラ。



まだまだ困難は続くようです。








end…?







あとがき


やっとアスラン編終了…。
むう…、何かものすごいことになっていいるような気もしますが、とりあえず終了です。

今後キラはアスランと口喧嘩に…
しかし、二人は頑張るでしょう。お互いの為に。

後は皆様のご想像にお任せします。

さてさて…連載三つもやって…やばいよ…;;